表紙に悩む

志水です。

引き続き『しずおか日帰りナビ』の制作を進めております。
先ほどまで、弊社デザイナー（左側の）I君と、あ～でもない、こ～でもない
いろいろこねくり回しておりまして、
やっとひとつの落ち着きどころをみつけ、ひと段落したところです。

例年、『日帰りナビ』の表紙は、
取材を進める中や、カメラマンからあがってくる写真を見ているうちにイメージを膨らませ、
デザイナーにも具体的な指示を出すことが多いのですが、
今年はどうにもこうにもイメージが湧かない。
なんでだろう、と考えたのですが、
いくつかある要素のうち、一番ひっかかっていたのは「晴れ」。

梅雨入りが早かったこともあるし、天気予報では晴れマークが出ていて、
日差しは出ていて影は差すものの、
黄砂の影響か、空は真っ白っていう日があまりにも多かった今年。
なかなかピンとくる写真に出合えなかった。

さらに、自分の気持ちも、どこかで「晴れ」を待っていた部分があった。
311の震災以降、外に出ていく、旅に出ることへの後ろめたさもあったし、
それ以上に、遊びに行こうぜ、と後押しをするようなガイドブックを作っている場合なのだろうか、と
自問自答することもあった。
スカッとした気分で、楽しんでもらえる本を作るぞ！という気分に
正直なりきれていなかった。

ただ、今日、印刷所からあがってきた色校正に目を通しているうちに、
「今年の表紙はこれでいいんだ」
と思える一枚の写真に出合えた。
正確に言うと、その写真自体は、以前にも見ていたのだが、
改めて誌面にはめ込まれたその写真を見て、やっと“出会えた”。

弊社のカメラマンＭくんが撮ってくれたその写真は、
とある大きな川の流れとその両脇の岸や山を取り込んだ構図。
そして決して「晴れ」てはいない。
これまでの自分だったら、まず表紙には選ばないような写真。

だけど、今回の取材成果が詰まった記事を読んでいるうちに、
今の静岡に住んでいる自分たちの心の景色は、
もしかしたらこの写真のような感じなのではなかろうか、と思ったわけです。
つまり、すっきりとは晴れてはいない、けれど、日差しは確実に差してくる。


いろいろごちゃごちゃ書いてばかりで、
「その写真、見せなさいよ！」
って方もいらっしゃることと思いますが、
すいません、もうしばらくお待ちください。
表紙が校了したら、あらためてこの下に表紙を貼らせていただきますので。

6月24日（金）の発行まで、最後の追い込みに差しかかってまいりました。

■6月14日以下加筆
表紙の最終校、こんな感じです。
書店やコンビニで見かけましたら、ぜひ手に取ってみてください。
実際は、もっと色がパキっとしてます。